スウェーデンのルチア祭では何をする?ろうそくの行列と歌、冬のお菓子

12月13日、スウェーデンでは白い衣装をまとったルチアを先頭に、ろうそくを灯した人々が歌いながら歩く「ルチア祭」が行われます。

サフランを使った黄色いパン「ルッセカット」や、スパイスの香りが楽しめる「ペッパルカコール」など、冬ならではのお菓子もこの時期の楽しみのひとつ。

ちょこみ
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ろうそくの明かりがきれいな行事ですね

この記事では、ルチア祭の行列に登場する人々や衣装、歌、お菓子、そして現代のスウェーデンでの過ごし方を紹介します。

この記事でわかること
  • ルチア祭の衣装とろうそくの行列
  • ルチアや星の少年たちなど、行列に登場する人々
  • ルチア祭で歌われる「サンカ・ルチア」
  • ルッセカットやペッパルカコールなどの冬のお菓子
  • 現代のスウェーデンで親しまれているルチア祭

ルチア祭では何をする?白い衣装とろうそくの行列

ルチア祭では、白い衣装を着たルチアを先頭に、複数の参加者が列をつくって進みます。ろうそくの明かりと歌声に包まれた行列は、現在のルチア祭を象徴する光景です。

ルチアは白い衣装にろうそくの冠

ルチア役が身につけるのは、足元まである白い衣装。腰には赤い帯を締め、頭にはろうそくを立てた冠をのせます。

ろうそくの冠は、ルチア祭を象徴する特徴的なアイテムのひとつ。現在は本物のろうそくだけでなく、安全面を考えて電池式のものが使われることもあります。

ちょこみ
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ろうそくは気になりますが、近づくのは我慢します

ルチアの後ろに続く人々

ルチアの後ろには、白い衣装を着た子どもたちや聖歌隊などが続きます。

なかでも特徴的なのが、白い服に円錐形の帽子をかぶり、星を手にした「星の少年たち」。

行列にはルチア以外にもさまざまな役割の人が加わり、それぞれ異なる衣装で歩きます。

歌を歌いながら進むルチアの行列

行列では、参加者がルチアにまつわる歌やクリスマスソングなどを歌いながら進みます。

ろうそくの明かりと静かな歌声が重なることで、ルチア祭ならではの厳かな雰囲気が生まれます。

こうした行列は、学校や教会だけでなく、職場や高齢者施設などでも行われています。

規模や参加者は場所によって異なりますが、ルチアを先頭に歌いながら進むというスタイルが、現在のルチア祭の代表的な光景です。

ルチア祭の行列には誰がいる?

ルチア祭の行列「ルシアトーグ(luciatåg)」では、ルチアを中心に、さまざまな衣装を身につけた人々が一緒に歩きます。

現在よく見られるのは、ルチア、侍女役の「テールノル」、星の少年たち、そして地域や行事によってはサンタやジンジャークッキーの衣装を着た子どもたちです。

学校や教会など、開催される場所によって参加者の構成も異なります。

行列の中心になるルチア

行列の先頭に立つのがルチア。白い衣装にろうそくの冠を身につけ、後ろに続く人々とともに歌いながら進みます。

現在のルチア祭では、ろうそくの冠だけでなく、手にろうそくを持って行列する姿も一般的。

ルチアは行列の中心的な存在ですが、ルチア祭そのものをひとりで行うわけではありません。

後ろに続く人々と歌を歌いながら進むことで、ひとつの「ルシアトーグ」が形づくられます。

ルチアに続く「テールノル」

ルチアの後ろには、tärnor(テールノル)と呼ばれる付き添い役が続きます。

白い衣装を着て、頭にきらきらした飾りをつけたり、手にろうそくを持ったりするのが特徴。

ルチアと同じように白い衣装ですが、ろうそくの冠をつけるのではなく、手に灯りを持つスタイルが一般的です。

ルチアとテールノルが並んで歌いながら進む姿は、現在のルチア祭でよく見られる光景のひとつです。

星を手にする「スターングッサル」

もうひとつ特徴的なのが、stjärngossar(スターングッサル)と呼ばれる星の少年たちです。

白い衣装に円錐形の帽子をかぶり、星を手にして行列に加わります。名前の stjärna は「星」、gosse は「少年」を意味します。

この役は、現在のルチア祭だけのために生まれたものではありません。中世のカトリック教会劇や、クリスマスから公現祭にかけて行われていた行列などに登場した人物が背景にあります。

星の少年たちは、もともとキリストの誕生を知らせる「三人の博士」を表していました。

サンタや子どもたちが加わることも

現代のルチア行列では、ルチア、テールノル、スターングッサルだけでなく、サンタ(tomtar)やジンジャークッキーの衣装を着た子どもたちが参加することもあります。

ただし、すべてのルチア祭で同じ構成になるわけではありません。学校や教会、職場、地域の行事など、それぞれの場に合わせた形で行われています。

こうして見ると、ルチア祭の行列は「ルチアだけの行事」ではありません。白い衣装とろうそくを中心に、星の少年たちやさまざまな参加者が加わり、歌声とともにひとつの行列をつくっています。

ちょこみ
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いろいろな役の人がいて楽しそうですね

なぜルチア祭は「光の行事」と呼ばれるの?

スウェーデンのルチア祭を象徴するものといえば、白い衣装とろうそく。

ルチアは頭にろうそくの冠をのせ、その後ろに続く人々も手にろうそくを持ちながら、歌とともに行列をつくります。

この光景から、ルチアは「光を運ぶ存在」として知られるようになり、ルチア祭も「光の行事」として親しまれてきました。

ろうそくが照らす冬の朝

ルチア祭では、白い衣装をまとったルチアがろうそくの冠を頭にのせ、行列の先頭を歩きます。

続くテールノルやスターングッサルたちもろうそくを手にするため、暗い空間のなかに小さな明かりが連なって見えるのが特徴。

このルチア行列は、学校や教会だけでなく、職場や高齢者施設、家庭などでも行われています。

会場を暗くしてろうそくの明かりを際立たせることもあり、歌声とともにゆっくり進む行列は、ルチア祭ならではの光景です。

ろうそくは単なる装飾ではなく、ルチア祭そのものを目で感じられる重要な要素になっています。

ちょこみ
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ろうそくの行列なら先頭を歩いてみたいです

暗い季節に楽しむ「光」

スウェーデンの冬は日照時間が短く、日常生活のなかでも照明やキャンドルなどの明かりを楽しむ習慣があります。

ルチア祭でも、暗い季節のなかにろうそくの明かりを取り入れ、特別な時間をつくります。

ルチア祭で大切にされているのは、暗さをなくしてしまうことではありません。冬の暗さがあるからこそ、ろうそくの小さな明かりや白い衣装が印象的に映ります。

行列を眺めながら歌を聴き、ルッセカットやコーヒーを楽しむ。そんなひとときを通して、冬の季節そのものを味わうこともルチア祭の魅力です。

ルチア祭に重なる「光」のイメージ

ルチアという名前は、ラテン語の「lux(光)」と結びつけて説明されることがあります。また、聖ルチアには「光」と関連する伝説も伝わっており、こうした背景が現在のルチアのイメージにも重なっています。

ただし、現在のルチア祭で見られる「光」の表現は、ひとつの由来だけから生まれたものではありません。

聖ルチアにまつわる伝承、冬の暗さ、スウェーデンで育まれてきた行事の形など、さまざまな要素が重なって現在の姿につながっています。

スウェーデンの「ルチア祭」とは?聖人から生まれた冬の伝統

ルチア祭で歌われる「サンカ・ルチア」とは?


ルチア祭の行列で、ろうそくの明かりとともに響くのが「Sankta Lucia(サンカ・ルシア)」です。

白い衣装のルチアを先頭に、参加者がゆっくりと歩きながら歌う姿は、スウェーデンの冬を象徴する光景のひとつ。ルチア祭を語るうえで、ろうそくと並んで欠かせない存在です。

スウェーデン語で歌われる「Sankta Lucia」

「Sankta Lucia」は、スウェーデンのルチア祭で広く親しまれている歌。タイトルにある「Sankta」は「聖なる」を意味し、「Sankta Lucia」で「聖ルチア」を表します。

歌のなかでは、暗い冬の夜に現れるルチアと、その光が描かれており、ろうそくを灯した行列と重なることで、より印象的な場面が生まれます。

学校や教会などのルチア行事では、行列が始まるとこの歌が歌われます。

会場が静かになるなか、聖歌隊や参加者の歌声だけが響くこともあり、ルチア祭ならではの雰囲気をつくる大切な要素になっています。

「Santa Lucia」との関係

「Sankta Lucia」のメロディーには、イタリアの歌「Santa Lucia」が使われています。

ただし、この「Santa Lucia」は、聖ルチアをたたえるために作られた宗教歌ではありません。

ナポリの港町サンタ・ルチアを題材にした歌で、そのメロディーがスウェーデンに伝わり、ルチア祭の歌として使われるようになりました。

その後、スウェーデン語の歌詞が付けられ、1920年代には現在につながるルチア祭の歌として広まっていきます。

同じメロディーでも、イタリアでは港町を歌い、スウェーデンでは冬のルチアを歌う。ひとつの曲が異なる文化のなかで別の意味を持つようになりました。

静かな冬の朝に響くルチアの歌

ルチア祭の歌は、華やかなクリスマスソングとは少し違った趣があります。

暗い冬の朝、ろうそくを手にした行列がゆっくりと進み、そこに重なる歌声。会場を明るく照らすのは強い照明ではなく、小さなろうそくの光です。

「Sankta Lucia」をはじめとする歌は、こうしたルチア祭の時間を形づくるもの。ろうそくの明かりと歌声がそろって初めて、あの静かで印象的なルチア祭の光景が生まれます。

ちょこみ
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歌と灯りで冬の朝を迎えるのですね

ルチア祭に欠かせない冬のお菓子

ろうそくの明かりと歌声で彩られるルチア祭には、冬のお菓子や飲み物も欠かせません。

なかでもよく知られているのが、サフランを使った黄色いパン「ルッセカット」です。

甘いパンとコーヒーを囲みながら、家族や友人とルチアの時間を楽しむ。そんな食卓も、スウェーデンのルチア祭を感じさせる光景のひとつです。

黄色いサフランパン「ルッセカット」

ルチア祭で欠かせない、黄色いS字型のパンは「ルッセカット(lussekatter)」と呼ばれる、サフラン入りのパンです。

ルッセカットとは?サフラン香るスウェーデンの冬のお菓子

鮮やかな黄色と、両端をくるりと巻いた独特の形が特徴。レーズンを飾ることも多く、ほんのり甘い生地にサフランの香りが加わります。

ルッセカットは、12月13日のルチア祭だけでなく、クリスマスシーズンを通してスウェーデンで親しまれている冬のパンです。

なぜルチア祭ではサフランを使うの?

ルッセカットに欠かせないサフランは、ルチア祭を象徴する食材のひとつ。サフランを使うことで生地が鮮やかな黄色になり、独特の香りも加わります。

スウェーデンでは19世紀末ごろからサフラン入りのパンが作られるようになり、20世紀に入ってルチア祭との結びつきが強くなっていきました。

高価なスパイスであるサフランを使った黄色いパンは、現在では12月の訪れを感じさせる季節のお菓子として親しまれています。

スウェーデンのクリスマスクッキー「ペッパルカコール」

もうひとつ、スウェーデンの冬のお菓子として親しまれているのが「ペッパルカコール(pepparkakor)」。

ペッパルカコールとは?スウェーデンのジンジャーブレッド文化

薄く焼き上げたクッキーで、シナモンやジンジャー、クローブなどのスパイスが香り、星やハート、動物などさまざまな形に焼かれるのも特徴です。

ルチア祭の時期には、ルッセカットと一緒にコーヒーや温かい飲み物を添えて楽しまれ、クリスマスらしいスパイスの香りが、冬の食卓をさらに華やかにしてくれます。

コーヒーと一緒に楽しむルチアの時間

ルチア祭では、歌や行列を楽しんだあとに、ルッセカットやペッパルカコールとコーヒーを囲む時間もあります。

スウェーデンではコーヒーを飲みながらお菓子を楽しむ「フィーカ」が日常に根づいているため、ルチア祭でも、温かい飲み物と甘いものを味わいながら、家族や友人と過ごすひとときが生まれます。

特別な料理を用意するというよりも、冬のお菓子を囲んで会話を楽しむ。そんな過ごし方にも、スウェーデンらしい冬の時間が表れています。

ちょこみ
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コーヒーよりお菓子を担当したいです

さいごに

スウェーデンのルチア祭では、白い衣装をまとったルチアを先頭に、テールノルやスターングッサルなどがろうそくを手にして行列をつくります。

歌を歌いながら進むルチア行列は、学校や教会、職場、家庭など、さまざまな場所で楽しまれています。

ルチア祭の楽しみは、ろうそくや歌だけではありません。サフランを使ったルッセカットやスパイスの香りが特徴のペッパルカコール、コーヒーなども、この時期の食卓を彩ります。

現在のルチア祭は、歴史のなかでさまざまな文化や習慣が重なりながら形づくられてきた行事。

今では、冬の暗さのなかでろうそくの明かりや歌、お菓子を楽しむ、スウェーデンの12月を象徴する風景のひとつになっています。

ちょこみ
ちょこみ

歌のあとはおやつの時間にしたいです