12月になると、スウェーデンのパン屋や家庭で見かける黄色いパンがあります。
これは「ルッセカット(lussekatt)」と呼ばれ、サフランを使った甘いパンで、くるりと両端を巻いたS字の形が特徴です。中央にはレーズンが飾られています。
ルッセカットは、12月13日のルチア祭には欠かせない食べ物のひとつで、ルチアの行列とともに、サフランの香りがする黄色いパンが冬の食卓を彩ります。

黄色いパンなら香りも気になります
この記事では、ルッセカットの特徴や名前の由来、サフランが使われるようになった背景、スウェーデンでの楽しみ方について紹介します。
ルッセカットとは?スウェーデンの冬を代表するサフランパン
ルッセカット(lussekatt)は、サフランを使った黄色い甘いパンです。
スウェーデンでは、アドベントからクリスマスにかけて親しまれ、特に12月13日のルチア祭には欠かせない食べ物として知られています。
ふんわりとした生地にサフランの香りが加わり、焼き上がると鮮やかな黄色に。独特の形とレーズンの飾りも、ルッセカットを見分ける特徴のひとつです。

黄色いパンは冬の食卓でも目立ちそうです
サフランで黄色く色づく甘いパン
ルッセカットの一番の特徴は、鮮やかな黄色とサフランの香り。
サフランを生地に加えて焼き上げることで、淡い黄色から鮮やかな黄色のパンに仕上がります。甘さは比較的やさしく、サフラン特有の香りを楽しめるのが特徴です。
スウェーデンでは、ルッセカットはパン屋で購入するだけでなく、家庭でも作られています。
12月になるとサフランを使ったパンが店頭に並び、冬の訪れを感じさせる存在になります。
S字にくるりと巻いた形が特徴
ルッセカットといえば、両端をくるりと巻いたS字の形がよく知られています。
細長く伸ばした生地の両端を内側へ巻き込むように成形し、中央や巻いた部分にレーズンを飾ります。
この特徴的な形にはいくつかのバリエーションがありますが、S字型は現在のルッセカットを代表する形です。
レーズンを飾るのが定番
ルッセカットには、巻いた部分にレーズンを飾るのも定番です。
焼く前にレーズンを生地へ押し込んでからオーブンへ。黄色い生地に濃い色のレーズンが加わることで、見た目のアクセントにもなります。
サフランの黄色、S字に巻いた形、レーズンの組み合わせは、ルッセカットらしさを感じさせるポイントです。
ルッセカットはなぜルチア祭の定番に?
ルッセカットの歴史
ルッセカットのルーツのひとつとされているのが、オランダや北ドイツで作られていた甘い小麦パン。
17世紀、このパンがオランダ人によってスウェーデンへ伝わったとされています。この時点では、まだルチア祭のためのパンではありませんでした。
19世紀のスウェーデンでは、12月13日のルチアの日に「ルッセ」と呼ばれる人々が家々を訪れ、食べ物や飲み物を求める習慣がありました。
こうしたルチアの日の習慣と、スウェーデンに伝わっていた甘いパンが結びつき、次第に「lussekatter」と呼ばれるようになっていきます。
現在のルッセカットを特徴づけるサフランが使われるようになったのは、19世紀末。
サフランによる鮮やかな黄色と独特の香りが加わり、現在よく知られているルッセカットの姿へと近づいていきました。
20世紀になると、ルチア祭は学校や教会など、さまざまな場所で行われる行事として広がっていきます。
それとともに、ルッセカットもルチア祭を代表する食べ物として定着していきました。
現在のルッセカットは、12月13日のルチア祭だけでなく、アドベントからクリスマスにかけて楽しまれています。
ルチアの歌やろうそくの明かりとともに味わうほか、家庭で焼いたり、ベーカリーで購入したりするなど、スウェーデンの冬に親しまれているパンです。

長い時間をかけて今のパンになったのですね
ルッセカットにサフランが使われるのはなぜ?
現在のルッセカットは、鮮やかな黄色とサフランの香りが大きな特徴。
では、なぜルッセカットにはサフランが使われるのでしょうか。
実は、サフランが使われるようになった理由について、「ルチアの光を表している」といった明確な由来が残っているわけではありません。
それ以前から存在していた甘いパンに、後からサフランが加わったことで、現在のような黄色いパンへと変化していきました。
なぜサフラン?
19世紀のスウェーデンでは、サフランを使ったパンそのものが、クリスマスなどの祝祭と結びついていました。
サフランは少量でも鮮やかな黄色と独特の香りをつけられるため、普段のパンとは違う、特別なパンを作るのに適した食材。
こうした祝祭のパンとしてのサフランパンが、12月13日のルチアの時期にも作られるようになり、次第にルッセカットの特徴として定着していきました。
そのため、ルッセカットのサフランには「ルチアだから必ずサフランを使う」という一つの意味があるというより、スウェーデンで祝祭の時期に親しまれていたサフランパンが、ルチアの習慣と結びついていったと言われています。
サフランならではの黄色と香り
サフランを加えることで、生地は鮮やかな黄色になります。
焼き上がると、サフラン特有の香りがふんわりと広がり、やさしい甘さのパンに華やかな風味が加わります。
さらにサフランは非常に高価なスパイスとして知られているため、サフランを使ったパンには普段の食事とは違う特別感も。
現在のスウェーデンでは、こうした黄色いサフランパンが12月の風物詩となり、ルチア祭やクリスマスの時期に楽しまれるようになりました。

黄色と香りで冬のおやつらしくなったのですね
スウェーデンではルッセカットをいつ食べる?
アドベントからクリスマスにかけて親しまれる
ルッセカットは、12月13日のルチア祭に欠かせない冬のお菓子として親しまれていますが、ルチア祭当日だけのものではありません。
アドベントの時期からクリスマスにかけて、家庭やベーカリーなどで作られ、冬のお菓子としても楽しまれています。
コーヒーと一緒に楽しむ冬のFika
スウェーデンでは、ルッセカットをコーヒーと一緒に味わうことも多く、冬のFikaにもぴったりのお菓子です。
サフランの香りが広がる甘いパンと温かいコーヒーで、冬のひとときを楽しみます。

コーヒーとの組み合わせもおいしそうです
日本でもルッセカットを楽しめる
12月のおやつとして味わう
ルッセカットは、特別な行事がなくても12月のおやつとして楽しめます。クリスマスのお菓子とは少し違った、スウェーデンの冬の食文化を取り入れられるのも魅力です。
S字に成形して本場らしく
ルッセカットの特徴であるS字の形に成形すると、見た目にもスウェーデンらしい雰囲気が生まれます。両端をくるりと巻き、レーズンを飾るのが定番のスタイルです。

くるくる巻いた形がおもちゃみたいですね
サフランを使った焼き菓子にアレンジする
ルッセカットの特徴であるサフランの香りと黄色を生かして、クッキーやフィナンシェなどの焼き菓子にアレンジするのも楽しみ方のひとつです。
さいごに
ルッセカットは、サフランの鮮やかな黄色と香りが特徴の、スウェーデンを代表する冬のパンです。
もともとはスウェーデンに伝わった甘いパンが、ルチア祭の時期と結びつき、現在のようなルッセカットとして親しまれるようになりました。
19世紀末にはサフランが使われるようになり、S字に成形した形とともに、現在のルッセカットの特徴が形づくられていきます。
12月13日のルチア祭を中心に、アドベントからクリスマスにかけて楽しまれるルッセカット。コーヒーと一緒に味わえば、スウェーデンらしい冬のFikaも楽しめます。
日本でも、12月のおやつとして焼いたり、S字に成形したり、サフランを使った焼き菓子にアレンジしたりと、冬の食卓に取り入れることができます。

黄色いパンとコーヒーで冬のFikaですね

