スウェーデンで大切にされている「ラーゴム(Lagom)」という、暮らしの中で心地よいバランスを大切にする考え方。これは、「多すぎず、少なすぎず、ちょうどよい」という意味で使われ、日常のさまざまな場面に取り入れられています。
ラーゴムが大切にしているのは、何かを我慢することではありません。物の量だけではなく、仕事との向き合い方、人との関係、自然との暮らし方などにおいて、自分が無理をしない持続できる心地よさを見つけることです。

ちょうどいいって毎日を心地よくする魔法ですね
今回は、スウェーデンに根付くラーゴムの意味や背景、北欧らしいバランスのある暮らし方を紹介します。
- ラーゴムの意味や由来と、スウェーデンで大切にされる理由
- 物・時間・人との関わり方に見る、心地よいバランスの考え方
- 日本の暮らしや愛犬との生活にも取り入れられるラーゴムの工夫
ラーゴムとは?スウェーデンに根付く「ちょうどよい」という価値観
ラーゴムは、スウェーデンの暮らしや価値観を語るうえで欠かせない言葉。日本語では「ちょうどよい」「ほどよい」「適量」などと訳されますが、単に量や大きさを表す言葉ではありません。
物との付き合い方や働き方、人との関係、自然との向き合い方まで、日々の暮らしのあらゆる場面で「無理のない心地よいバランス」を大切にする考え方として親しまれています。
ラーゴムの意味
ラーゴム(Lagom)は、「適量」「ほどよい」「ちょうどよい」といった意味を持つスウェーデン語です。完璧を目指したり、たくさん持つことを良しとしたりするのではなく、自分にとって無理のない心地よい状態を大切にします。
例えば、物を必要以上に増やさないこともラーゴムですが、「何も持たない暮らし」を目指す考え方ではありません。本当に気に入ったものや、長く使えるものを選び、大切に使い続けることもラーゴムの価値観です。
また、「ほどほど」という言葉から我慢や節約をイメージする人もいますが、ラーゴムは無理に何かを減らす考え方でもなく、自分や周囲にとって心地よいバランスを見つけることが重要です。

多すぎないからこそ心にも余裕ができますね
ラーゴムの語源
ラーゴムの語源には、バイキング時代に仲間同士でミード酒を回し飲みした際の「laget om(全員に行き渡る量)」が由来になったという説があります。
これは、一人だけが多く飲むのではなく、全員が楽しめるように適度な量を残して次の人へ回すという考え方で、自分だけではなく、周囲との調和を大切にするスウェーデンらしい価値観が表れています。
現在でもラーゴムは、「自分だけが満足する」のではなく、家族や職場、地域社会など、みんなが心地よく過ごせるバランスを考える姿勢として受け継がれています。
ラーゴムが大切にする3つのバランス
ラーゴムは、「多すぎず少なすぎず」という言葉だけでは表しきれない、暮らし全体のバランスを整える考え方。
物や時間、人や自然との関わり方を見直すことで、自分にとっても周囲にとっても心地よい毎日につながります。
1. 持ち物とのちょうどよい距離
必要以上に物を増やさず、本当に大切なものを長く使うことをラーゴムでは大切にしています。
これは、流行に合わせて次々と買い替えるのではなく、自分が気に入ったものや質のよいものを選び、丁寧に使い続ける暮らし方であり、「できるだけ物を減らす」ことを目的とした考え方ではありません。
スウェーデンで長く愛される家具やデザインが多いのも、自分に必要なものを見極め、物との心地よい距離を保つというラーゴムの価値観が背景にあります。
2. 仕事と暮らしのバランスを整える
仕事だけに時間を費やすのではなく、家族との時間や自分自身の時間も大切にするのもラーゴムの考え方です。
働くことはもちろん大切ですが、休息や趣味、自然の中で過ごす時間も、豊かな暮らしには欠かせません。そのため、スウェーデンでは、仕事と生活の調和を重視するワークライフバランスの考え方が広く根付いています。
忙しい毎日の中でも適度に休み、心と体を整えることが、結果としてより充実した暮らしにつながるという価値観です。

昼寝も大切なお仕事です
3. 自然と共に無理なく暮らす
自然と調和しながら暮らすこともラーゴムで大切にしていることのひとつ。
自然を必要以上に消費せず、長く使えるものを選んだり、必要な分だけを購入することで、環境にも自分にも無理のない選択ができ、持続可能な社会を目指すサステナブルな考え方とも深く結びついています。
また、季節を感じながら散歩を楽しんだり、公園や森でゆっくり過ごしたりする時間など、自然の中で過ごす時間を大切にすることも、愛犬とのラーゴムな暮らしにつながります。
スウェーデンの暮らしに見るラーゴムの習慣
毎日の休憩時間や住まいづくり、食事や買い物まで、「無理をせず、ちょうどよく暮らす」という価値観が息づいているため、ラーゴムはスウェーデンの人々の暮らしにも自然と取り入れられています。
フィーカにも表れる「休む時間」の大切さ
スウェーデンでは、「Fika(フィーカ)」と呼ばれるコーヒーやお菓子を楽しむ休憩時間が、日常の習慣として親しまれています。
フィーカは単なるコーヒーブレイクではありません。仕事や家事の手を止めて、家族や同僚、友人との会話を楽しんだり、一人でゆっくり過ごしたりする大切な時間です。
フィーカとラーゴムで共通する、忙しい日々の中でも適度に休むという習慣が、無理なく毎日を続けるためのバランスにつながっています。
長く使う家具とシンプルなインテリア
スウェーデンの住まい選ばれるのは、流行よりも長く使えるもの。必要以上に物を増やすのではなく、本当に気に入ったものを丁寧に使い続けることで、心地よい空間が生まれると考えられてきました。
また、木材やリネンなどの自然素材を取り入れ、暮らしになじむシンプルなデザインを長く愛用することもラーゴムの考え方。インテリアは見た目だけを整えるためではなく、毎日の暮らしを快適にするための存在です。
食事や買い物にもあるラーゴムの考え方
たくさん買うことや、必要以上に我慢することではなく、自分や家族にとって「ちょうどよい量」を選ぶことが大切。必要な量だけを選び、食材を無駄なく使い切ることや、旬の食材を楽しむことも、無理のない暮らしにつながります。

毎日の小さな積み重ねが大切ですね
北欧の暮らしから学ぶ、愛犬とのラーゴムな暮らし
ラーゴムは、スウェーデンだけの特別な考え方ではありません。「多すぎず、少なすぎず、ちょうどよい」という価値観は、日本での暮らしや愛犬との毎日にも取り入れられます。
北欧の暮らしをヒントに、無理なく続けられるラーゴムな習慣を紹介します。
愛犬との時間は「量」より「心地よさ」
- 長時間遊ぶことより、一緒に過ごす時間を大切にする
- 愛犬の年齢や体力に合わせて散歩や運動量を調整する
- 毎日無理なく続けられる習慣をつくる
多ければよいという考え方はせず、愛犬との暮らしでも、お互いに心地よく過ごせる時間や距離感を見つけることが大切です。

ごはんの量が減ったような気がします…
必要なものを選び、長く大切に使う
- 本当に必要な犬用品を選ぶ
- 丈夫で長く使えるものを取り入れる
- 流行よりも使いやすさを大切にする
必要以上に物を増やすのではなく、暮らしに合ったものを長く使うことも大切。愛犬との暮らしでも、使い慣れたお気に入りの道具は、毎日の安心感につながります。
季節を感じながら自然の中で過ごす
- 公園や森など自然を感じられる場所を歩く
- 季節ごとの景色や空気を楽しむ
- 愛犬のペースに合わせてゆっくり散歩する
スウェーデンでは、自然と共に暮らすこともラーゴムの価値観のひとつ。日本でも、身近な自然に目を向けながら過ごすことで、毎日の散歩がより豊かな時間になります。
「季節のにおいを感じながら歩きたいですね」
頑張りすぎない毎日のリズムをつくる
- 家事や仕事の合間にゆっくり休憩する
- 愛犬と一緒にのんびり過ごす時間をつくる
- 完璧を目指さず、自分に合った暮らし方を見つける
無理を続けることではなく、長く続けられる心地よいバランスを大切にするのもラーゴムの考え方。頑張りすぎない毎日が、人にも愛犬にも穏やかな時間をもたらします。
さいごに
ラーゴムは、何かを減らすことや我慢することではなく、自分や周囲にとって無理のない「ちょうどよさ」を見つけるスウェーデンの価値観です。
物、時間、人との関係、自然との付き合い方、暮らしのあらゆる場面でバランスを整えることで、日常に穏やかな心地よさが生まれます。
北欧の暮らしに共通する、自然を大切にしながら丁寧に暮らす姿勢は、愛犬との時間にも取り入れられる考え方です。

ちょうどいい暮らしが一番心地いいですね
What is lagom? The Swedish way of balance | Visit Sweden
Lagom – Scandinavian lifestyle to be happy | Iberdrola

参考にさせていただきました

